ダニエル・ピンク新作

『ハイ・コンセプト 「新しいこと」を考え出す人の時代』を読む。
なかなか面白かった。
 

大筋をまとめると、
右脳型の仕事が21世紀には求められるだろうという話。
一気に胡散臭くなったが、
読んでいたかぎりでは非常に納得した。
要するに、20世紀に求められたような
論理的な思考能力だけでは
付加価値を得るには不十分になり、
芸術家とか詩人とかのような
心の琴線にふれるような感覚が
求められるようになるということだ。


簡単な話で、論理的な思考を必要とする仕事に関して
人間はパソコンにはかなわないし、
パソコンがまだ処理できないような仕事であっても
インド人がやってしまうからである。


分析的・理性的な知性からではなく
統合的・感情的な知性が付加価値を与えるようになるのだ。


こういう類の本は出たり消えたりするので、
(この10年間でさえEQブームのあとに
論理思考ブームがきたのを思いだして欲しい)
まあ読んでも読まなくてもいいと思うが、
ピンクのいいところは拾ってくる実例がどれも面白いことなのだ。


前作の「フリーエージェント社会の到来」もそうだったが、
ジャーナリストのバイタリティをいかした幅広い取材は
それだけでも読む価値があるだろう。
(いろいろ詰め込んでいる分、学問的な厳密さは薄いんだが)


とりあえずうちの父親に読ませようと思った。
そんな本です。