更に死亡ブログ

改めるといっておきながらまたも訃報です。
城山三郎先生がお亡くなりに。享年79歳。


この人の作品はそんなにたくさん読んでないのですが、
印象に残っているものを二つほど紹介します。


「素直な戦士たち」
近代日本の経済小説で有名な城山先生ですが、
この本はちょっと変わってて受験戦争をあつかったもの。


主人公の男性はお見合いの席でお相手にいきなりIQを聞かれる。
彼女は息子をエリートにするべく知能のよい男性を
パートナーに探しているのだった。
二人は結婚し、一男をもうける。
妻は熱烈に子供を教育していくのだが…。


という内容。


まあ別段普通の小説なのだが、
なんでこの話が頭に残っているかと言うと、
(ここを超太字で強調したいとこだが)


「中学受験のとき母親に読まされたから」


です。わりと受験戦争に否定的な内容だったのだが。
今考えると読ませた意図がわからん。
ママ・ユーア・クレイジー



「男子の本懐」
これは有名ですよね。名作。
金解禁をおこなった首相浜口雄幸と蔵相井上準之助の話。
謹厳実直な浜口とスタイリスト井上。
二人の稀有な経済家が金解禁という未曾有の政策にとりくみ、
そして失敗する。
泣かせます。


このタイトルは浜口が東京駅で襲われた時の言葉、
「男子の本懐である」からとったもの。
昔の政治家は偉かったですよね。
同じライオン宰相でもこいじゅんとは一味違うね。


ちなみにこの本は代々木ゼミナールの日本史講師である
伊達日角先生のご推薦で浪人時代に読んだもの。
浜口雄幸は伊達先生が一番好きな政治家なんだそうです。